ドルフィンズのマニング撤退と戦略的決裂。強いHCと明るい未来。


 マニング兄ちゃんがドルフィンズにお断りの電話を入れたということです。マニング争奪戦からドルフィンズが脱落、っていうような報道のされかたが一般的なようですが、自分の印象はちょっと違ったので書いておきます。

 というのは、ドルフィンズがマニングと面接した際、HCが6時間くらい話したっていう情報があったんですね。そのときに、結構システム的なことまで突っ込んだ話があったんじゃないか、と。
 新HCは自分の持ってきたGB式ウエストコーストを使いたいわけです。少なくともベースにはしたいでしょう。でも兄ちゃんがそれにフィットするかは分からない。むしろ兄ちゃんは自分のやってきたシステムをチームに浸透させたいだろうと想像できます。
 その折り合いと言うか、上手い融合のさせ方というか、その辺を探った上で、やっぱり無理かなあ、という結論をマニングが出した、そう感じています。
 だからわざわざ電話してきたんでしょう。ARIとかはスルーっぽいし。
 そしてこのドルフィンズの、ちゃんと話し合ったんだろうなってことが、なんというか期待させるわけです。チームとしてのビジョンを持ってそうじゃないですか。オーナーが来て欲しいって言ってる、とか、エルウェイとお食事した、とか、そういう口説き方じゃないわけです。

 思うに、このような「チームとしてのビジョン」的なものが、いままでのドルフィンズにはなかったんですね。
 ドン・シュラがずるずる続けちゃって、こりゃいかんってことでジミー・ジョンソンが投入されました。これはマリーノがいるうちにスーパーにっていう目的があったから良かったんです。が、その後はもうぐだぐだで、いまいちなところを、いまいちなまま、なんとなく引っ張る、っていう悪癖が続いていたんですね。ツナのオッサンが来たときには、これで何らかの軸ができるかもしれないと思いましたが、これもあっけなく退き、そして去年はまた、ダメだろうって状態のままで続けてやっぱりダメだったっていう。ああ相変わらずだなあと思わせる安定感だったわけです。


 しかし、ここに登場したのが、ザ・ファンダメンタルとでも言うべきグリーンベイ育ちの新ヘッドコーチ。そして戦略的決裂とでも表現されましょうマニング争奪戦からの撤退というか脱落。
 決して後ろ向きにでもなく自虐的にでもなく、期待が高まったと感じている次第です。


 もちろん、その方針で良い選手が集められるのかっていう不安は大いにあるわけですけれども。
 マニングならば1年、だったんですが、
 フリンならば3年、
 タネヒルならば5年でスーパー制覇を目指すっていうところで頑張っていただきたいと思っております。