バイキングス@ジェッツ
<前半>
突然ランディ・モスを獲得したバイキングス。なんでだ?っても思ったが、とりあえず無茶でもロング・パス投げちゃうって性癖のファーブには良いターゲットになるのかもしれないなあ。しかしいろいろとお騒がせのファーブおじさんの出来がいまいちだった。
バイキングスは最初のプレーでいきなりモスがリバースして、しかもパスまで投げようとして、さらにそのパスのターゲットがファーブとか、『月下の棋士』の9六歩かよってくらいの熱烈歓迎待遇。まあ実際は奥のレシーバーがあいてなかったから仕方なくファーブに投げただけであって、レシーバーが見つからなかった分だけ時間がかかりすぎて反則とられちゃった、ということなんだろうけど。なんにしろ、いきなりスペシャルプレーするのって嫌いじゃない。
しかしそんな奇策をものともしないジェッツのディフェンスに、ほぼ完封されるという展開。ランプレーはときどき出ることもあるが、基本的にディフェンス・ラインがオフェンス・ラインを圧倒。なによりパスプロが持たない。
次第に余裕を見せ始めたジェッツ・ディフェンスは、セーフティーを思い切り下げてセットさせ、複数のブリッツを入れた。ファーブ得意の?プレッシャーがかかったときに後ろ体重で長いパスを無理に投げるんだけど浮いちゃうんだよね?状態を能動的に作り出して、もともと後ろに下がっていたセーフティーがインターセプトを狙う、という男前なディフェンス。これで簡単にインターセプトされちゃったらファーブもう引退するしかないよって一瞬思ったけど、どうにかただのパス失敗だった。
まあそうだよね、そこまでじゃないよね、ほら、久しぶりにファーストダウンとったし。って思ってるとエクスチェンジ・ミスでファンブル・ロストとかって、また「引退」の文字が浮かんじゃうようなことするファーブでありました。
まあそれくらい、バイキングスのオフェンスは何もできていなかった。
対するジェッツのオフェンスも、どうも安定しない。ときどきミドル・パスが通ったり、何プレーか続けてランが出たりするんだけれど、ランとパス両方が良かったシリーズはなくて、ドライブが続かない。良い調子かなというときにラインが反則しちゃったり、レシーバーが落球しちゃったり。サンチェスとホームズもまだ合ってないような印象。
圧倒的にジェッツが押している試合展開に思えるんだけれど、前半終わってFG3本とれただけ。
MIN 0-9 NYJ
<後半>
後半最初のジェッツのオフェンスを3&アウトに抑えて、オフェンスにも期待がかかったバイキングス。が、最初のシリーズは再びのエクスチェンジ・ミスでロスト。勢いをつかめず。
続くジェッツのオフェンスはものすごくテンポよくランが出ていたのに、なぜかタッチダウンまでいけずにFGどまり。ほんと不思議なくらい最後に止まっちゃう。
頼みのピーターソンのランも出なくなってしまって、というよりももっとランやれって気持ちになるシリーズが続いていて、突発的にパスが通るくらいしかゲインが出来なくなっていたバイキングス。もうモスへのロングパスのまぐれ当たりしか望みないけどなー、ジェッツのCBクロマティもすごい頑張ってるしなー、というところで、どうにかようやくモスに長いパスが通る。タッチダウン。
MIN 7-12 NYJ。これはいけるかもしれない。
するとその次のキックオフでジェッツがビッグ・リターン。敵陣19ヤードまで一気に進んでしまう。バイキングスはまた流れを放り出した。
しかし、ここでバイキングス・ディフェンスが奮起、またFGに抑える。8点差。
さらに次のシリーズではやっとピーターソンのランも出るようになって、ジェッツディフェンスのミスとしか思えないほどにガラあきだったミドルへのパスが通り、タッチダウン。2ポイントは失敗したものの、2点差。
しかも、その裏のジェッツの攻撃はサンチェスのパスミスでパントに終わった。
完全に流れをつかみかけていたバイキングス。
なのに。ここで無理なパスを投げたり、投げそこなったりして、あっさりパントに終わってしまう。ピーターソンのランが出るようになってきてたのに。パスなんてまぐれとディフェンスのミスでしか通ってなかったのに。なぜここで。バイキングスはいったんは掴んだモメンタムを力いっぱい相手に投げ返したような格好。
で、息を吹き返したのか落ち着いたのか、サンチェスも良くなって直後のシリーズでタッチダウン。
まあ流れなんてこんなもんだしな、と思ったんだが、次のキックオフでバイキングスがビッグ・リターン。さらに名手CBレビスが完全な読み違いのような動きをして、一気にタッチダウン。なんでこうどっちのチームも流れを掴むのが大っ嫌いなんだ?ってな展開。
さらにジェッツの攻撃は不発。これは完全にバイキングスが流れをもぎ取ったか、と。
残り1:48。2点負けているバイキングス。自陣16ヤードから。タイムアウトは無し。厳しいけども、勢いづいている状態ならばFGレンジまでくらい進めるはず。
だがしかし。最後もファーブのパスミスと、ディフェンスの注文通りのインターセプト。終了。なんか不思議な、緊迫感あふれるわりにいまいちな試合でした。