イルカとドラフトと新オフェンシブ・コーディネーター。


 ドルフィンズのドラフト指名は、去年問題だったオフェンス優先で進みました。なんたってオフェンシブ・コーディネーターが代わったくらいですから、てこ入れされるはず。


1巡(全体15位):マイク・パウンシー(C)

 QBは指名せず、まずラインとバック。数年前ドラフト1位指名権があったときにも、現ファルコンズのライアンではなく、OTロングを指名した哲学がいまだ健在であります。QBなんて育てんの時間かかるし、俺今年だめだったらどうせ首だろうしー、ってスパラーノの心の叫びが聞こえるようです。
 パウンシーはデカイ・速い・機用、というところでしょうか。そして双子であり、もう1人のほうはすでにスティーラーズでスターター定着(スーパーボウルは怪我で欠場)ということがなぜかこっちのパウンシーの実績みたいに扱われている斜め上の過大評価感も否めないわけですが、十分即戦力になってくれるでしょう。


2巡(全体62位):ダニエル・トーマス(RB)

 そしてロニー・ブラウンとの次の契約があるのか微妙な状況のなか、大型バックを指名。こっちもデカイ。弱冠重心が高いようにも見えるけれど、元タイタンズのエディ・ジョージを彷彿とさせるシルエット。
 ゴリゴリいくよ、なんならワイルド・キャットやっちゃうよー。という進歩のない前任者のシステムを引き継ぐ指名かもしれなく、危うさも漂っています。だいじょうぶかオフェンス。


3巡の指名権は無し
4巡(111位):エドモンド・ゲイツ(WR)
5巡の指名権は無し
6巡(174位):チャールズ・クレイ(TE)

 順調にオフェンスを補強していきましたね。確かにTEは若干物足りないところだし、刺されちゃったブランドン・マーシャルが軸のレシーバー陣にも厚みは欲しい。元気らしいけどさ。


 あとはそっちにあげるよー、とばかりに最後はディフェンスを2人。
7巡(231位):フランク・カース(DT)
7巡(235位):ジミー・ウィルソン(DB)


 という感じで、新しいオフェンシブ・コーディネーターになって、どういうオフェンスになるのか楽しみでしたが、意外と大して変わらなそうなところが微笑ましいです。また3rd.ダウン&ロングで怒涛のアンダーニースパスを見せてくれようとしてるんでしょうか。それは勘弁してくれ。


 しかし、この新しいOC、ブライアン・ダボール、キャリアをみてみると、


 コーチ業をはじめた、ウィリアムとメアリーの大学だよ♪って学校は知らないけれど、
 それからミシガン州立大学(ヘニーと一緒かよ!)を経て、ペイトリオッツに雇われることに(ヘニーじゃない! ブレイディと一緒の経路だ!)。ここでベリチック門下に。
 ただし最初はディフェンスのアシスタントとして。次にWRコーチに。2000年から2006年までいたってことは、スーパーボウルリングもう3つも持ってるんだね。

 2007年シーズンから2年はジェッツに移ってQBコーチ。このときはベリチック門下から独立したマンジーニと一緒にジェッツ分家をつくってマンジーニ一門に入ったような感じか。そしてマンジーニがジェッツをクビになったのと一緒に、2009年にはブラウンズへ。マンジーニはまたHC、自分は今度はオフェンシブ・コーディネーター。
 そしてマンジーニは別に悪いところもなかったような気はするものの、どうも風貌からして報われない感が漂う通り、再び首になってしまいました。ブライアン・ダボールは単身ドルフィンズへ。

 で、ベリチックはドルフィンズの先の副将軍ビル・パーセルズジャイアンツのHCだったときに、ディフェンス・コーディネーターに昇進した人で、現ドルフィンズHCのスパラーノもまたパーセルズ門下。つまりペイトリオッツドルフィンズは昼ドラの人間関係のように絡み合う因縁浅からぬ関係になってきているわけであり。おおこわい。


 ってかダボールさんなかなか良い感じのキャリアじゃないのさ。

 しかも、去年のブラウンズは数試合しか見ていないけれど、方向性というかチームのつくり方は結構すきだった。一部の数少ない優秀な選手の負担が大きくなってしまっている感はあったものの、軸は決まってたし、これから強化すべきところも分かりつつあった雰囲気だった気がする。だから今年のオフでのコーチ入れ替えは意外だったし、そのためブライアン・ダボールは、他のチームでダメだった人が移ってきたよー、っていう感じはしない。面構え的にも体格的にもスパラーノに十分対抗できる、去年のなんか頼りなさげなOCよりずっといい。

 期待してますよ。でもできれば良いQBとれるといいよね♪