アメリカ代表は四国独立リーグ・オールスターなのか

いよいよ明日、ワールドカップ開幕です。
もちろんフットボールの。

アメフト好きだったら「いやー、日本でワールドカップやったときは決勝戦スタジアムに見に行ったんだけどねー、風つよくて大変だったなー」などといってサッカーファンを煙にまいたことの2〜3回はあることでしょう。忘れたころにやってくるワールドカップです。

公式ロゴがどうしてもカラクリ人形に見えて仕方ないです。



○いままでの歴史


日本で開催されたのは前回、第3回大会。第1回・第2回と日本代表が連覇したものの、肝心のアメリカが出場せず、つまりアメリカ西海岸の中国系あるいは韓国系移民の経営する日本食レストランのようなものであったわけで、優勝は嬉しかったものの心の片隅にアメリカさん次は出るの?ってシコリが残っていたわけです。
そしてついにアメリカさんが動きました。第3回、連覇中の日本が自国開催ってときに殴りこみです。なんというジャイアン

だがしかし、NFL選手はもちろん、NCAAの選手も参加しない中で、どんな選手が来るんだろう、どれくらい強いんだろう、というアメリカチームでありました。そして日本とアメリカが順調に決勝戦まで勝ち進み、さらにオーバータイム、NFLなどとは違うタイブレーク方式の延長戦にもつれ込み、しかし日本は本当にギリギリのところでアメリカに競り負けてしまったわけです。
とはいえほぼ互角の戦いをしたことで、NFLNCAAあたりの一線級を除けば日本のレベルもアメリカに匹敵するのだな、と妙な満足感を残した第3回大会でもありました。



NFLヒエラルキー


残念なことに日本人選手はまだNFLでプレーできていません。キャンプに参加したり、練習生としてシーズンを通じてチームに帯同したり、おしいところまでいってるんですが。しかしNFLと契約していたらこのワールドカップにはでられないので、つまりNFLを目指してるみんなの大会とも言えるわけです。ワールドカップがそれでいいのか、というご意見もおありでしょうけれど、アメリカさんが本気だしてドリームチームつくったらそれはそれでどうしようもなくなってしまうので。サッカーとかだってバルセロナとブラジル代表どっちが強いの?みたいな疑問もあるわけですし、まあいいんでしょう。たぶん。

というわけで、フットボールの世界はNFLを頂点に構成されています。
(このあたりから詳しくないことを聞きかじりと憶測で書いていますので間違ってたらごめんなさい)

その下に大学フットボールNCAA。ここを卒業したトップレベルの選手たちはNFLに入ります。ここまでがエリートNFL予備軍ですね。
そしてその夢がかなわなかった選手たちは、その他のリーグやカテゴリーで経験を積んでレベルアップして、またNFLに挑戦だ!と考えているわけです。具体的にはUFL、United Football Leagueというアメリカ国内のプロリーグ、アイスホッケーのリンクなど半分くらいの大きさのフィールドでやるアリーナ・フットボール、ルールは少し違うけど大体一緒と考えて良いくらいのカナディアン・フットボールのリーグなどがあります。
それらと、いまは無くなってしまいましたが、NFL直営だったNFLヨーロッパ、そして選手として契約しているわけではないが有望だなと思われた人が練習生としてNFLチームにかかえられたりしています。
こちら側は言わば雑草、夢見る漢たち。ロマンあふれるあんちくしょうたちです。そしてワールドカップに出場する選手たちも、この中にいます。

つまり、もともとエリートというほどでもなく、大学を卒業してもNFLには拾われず、しかしまだプロのフットボール・プレイヤーになるべく夢を追っている人たち。
NFLを日本のプロ野球に見立てた場合、NCAAは大学や社会人のエリートどころ、練習生はプロの2軍になるでしょうか。その他の、いわば四国独立リーグのオールスターたちが各国代表として戦う大会なんですね。
ほら、応援したくなってきたでしょう?



○各国代表の構成レベル


そんなわけで、アメリカ代表を考えるときには、さっきの図の点線より上のエリートたちは無視してかまわない。そのほかから良い選手を集めてきたと思っていいでしょう。とはいえNFLヨーロッパからスーパーボウル出場QBになったデロームとか、アリーナフットボールからスーパーボウル制覇まで上り詰めたワーナーみたいな選手もいるくらいです。強いはず。
しかし日本代表も全体のレベルとしては負けていないでしょう。NFLヨーロッパ経験者やNFL練習生経験者を集め、今回もアメリカと互角の戦いをしてくれるはず。
そして今回ダークホース的なのが初参加カナダ。CFL選手を中心にチームをつくってきたということ。CFLといえば、意外なほどすんなりとNFLに溶け込んじゃう選手がけっこういるって印象。レベル的には十分、普段から近くにいればコミュニケーションも十分、グループリーグでの日本の一番のライバルになるでしょう。
さらに各国の実力もさることながら、中一日というワケの分からない日程により、本来の力以上に頑丈な奴が勝つ的な要素が強くなってしまいそうな気配がなんともたまらないんですが。みんなそんなにハードに頑張っちゃって、絶賛リハビリ中のペニントンの気持ちも考えてあげて欲しい。

とにかく、
「ちょっと今夜ワールドカップの決勝みないとだから夜更かしになっちゃうなー、え? コパアメリカ? 違うよ、ワールドカップだよ、日本決勝でてんぞ」
と再びサッカーファンを煙に巻ける7月16日がくることを願っております。



○スケジュール


公式サイトの日程表が現地時間っぽいので、日本時間で。
たぶんこのような感じ。

予選リーグ
7/9 22時 オーストリア vs 日本
7/11 22時 日本 vs フランス
7/13 22時 日本 vs カナダ

決勝(希望)
7/16 26時(7/17 2時) 日本 vs アメリ


ストリーミング中継もあるよ!とのこと。
http://americanfootball.jp/wc2011/2011/07/4.html