2.なぜないんだ、フットボール酒場


 スポーツバーって意外とたくさんあります。たとえば渋谷で考えても、スポーツ中継をウリにした本当の意味でのスポーツバーが10店舗くらいは思い浮かぶ。さらにパブで常にスポーツ映像が流れているようなところも10店舗くらい。普段は普通のバーだけどお店の人の趣味やなんかでときどき中継を放映っていうところもたくさん。
 でもほとんどの店はサッカーをメインにしていますね。
 渋谷といえば、昔はワールド・スポーツ・プラザ・カフェがありましたね。なつかしい。その後、数年前にスペイン坂のカナディアン・パブが閉店して、スーパーボウルですら生放送で見られない街になってしまった。


 では、なぜアメフトをメインにした店がないのでしょう。
 その理由(と考えられていること)として思い浮かぶのは、
・客が少ない
・試合数が少ない
 この2つが大きいでしょうか。


 反論その1。客は十分にいると思うんです。

 アメフトの競技人口は2万人程度だろうと推定されています。ならば、平均競技年数を4年とすると、毎年5000人が新たに加わることになる。すると、18歳から69歳までに25万人のアメフト経験者がいるということです。競技経験がなくとも観戦はするという人はその4〜5倍はいるでしょう。すると実に100万人の観戦人口がいるはずです。
 まあスポーツバーですから全国の観戦者人口を考えてもしかたないわけですが。ならば、東京で試合をしているXリーグ関東のデータを見てみると平均入場者数が、リーグ戦で1447人、プレーオフでは3596人です。無理やり1日平均にしてみれば、リーグ戦の間は約200人、プレーオフ期間は約500人がひとつの会場に足を運んでいることになります。
 それに対してフットボール酒場は一日平均20人のお客さんがいればOKなお店くらいからデザインできますから、お客さんが足りないはずないんです。きっと。

 もうひとつ、実感のわいた数字があります。アメフト雑誌『タッチダウン』の発行が20万部、てっちゃんたちの雑誌『鉄道ファン』の発行が21万5000部。鉄道ファンの集まるお店、鉄道模型をウリにしたお店が東京に数店舗はあるんだから、フットボール酒場だっていくつかできないはずはない。ですよね。


 反論その2。試合数の少なさ、シーズンの短さ。

 こちらも、年間に本当に19戦しかないF1を題材にしたお店、ピットストップカフェが経営できている以上、問題にはならないと思うんです。さらにフットボールの場合、シーズンは短くとも試合数はそのシーズン週数の数十倍はありますし、アーカイブも発達してきているので、見る試合がなくなるということはない。春にはドラフトの話題もありますし、日本国内の大学の試合もある。夏を乗り切ればもうシーズンです。
 なんならフットボールのゲームもできる環境をつくったっていいですし。問題はないですよね。


 非常に無理やりな数字ばかりになってしまいましたが、twitterのTL上にあれだけの人数が生中継を見ていることを思えば、東京にいくつかのフットボール酒場が成立しないはずがない、というのが実感です。
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