7.売上計画とそれにともなうランニングコストについて


 前回は開店までの費用についてでした。今回は開店後、営業をはじめてからの費用と、売上予測などについて。


◆まず、予想される売上およびランニングコストです。

 こちらのフットボール酒場モデルでは、席数は、
・カウンター:7席
・テーブル:8席、6席
・ソファー:4席、3席
 の、合計28席です。


○予想される来客数は、
・平日が0.8回転
・週末が1.6回転
 くらいでしょう。

 営業時間内に店内の全ての席を1回つかう(28人来店する)のを1回転と表現した場合の、0.8回転なので来店数は一日平均22.4人、1.6回転では44.8人、という意味です。
 平日は、それぞれのテーブルなどは全て埋まるものの、そこの席すべてを使うわけではない、という程度。たとえば8人席を6人で使ったり、6人席を4人で使ったり、というグループが、営業時間内に各テーブル一回ずつ、という計算です。週末はその倍。

○客単価(一人のお客さんが使う金額の平均)は、3000円と想定しています。ドリンク2杯、つまみ1品、ごはんもの1品。または、ドリンク3杯、つまみ1品。というくらい。

○売上の合計はこうなります。

回転 客数 客単価 売上(日) 営業日数(月) 売上(月)
平日 0.8 22.4 3,000 67,200 22 1,478,400
週末 1.6 44.8 3,000 134,400 8 1,075,200
合計 2,553,600


 これに対し、営業するための費用、ランニングコストは以下のようになります。

変動費
 仕入れ値です。売上が上がれば上がるほど増えるものです。原価率は食べ物と飲み物あわせて3割として、
766,080円

○人件費
 平日は営業時間(8〜10時間ほど)通しが2人、ピークタイムに1人追加、という形で30,000円、
 週末は同様に通しが3人、追加が1人で42,000円としています。それを平日22日・週末8日として、合計が、
996,000円

○家賃:300,000円
○光熱費など:60,000円
○通信費:12,000円
○テレビ受信料:12,000円
○雑費:50,000円

○合計が
2,196,080円

○そして収支は、
2,553,600円 − 2,196,080円 = 357,520円

 プラスです。やったね!
 この店の感じだと、これくらいの客数で、これくらいの客単価だろうなあ、そのためには従業員はこの人数で、仕入れは…などと店の雰囲気を想像しながら計算してみたところでプラスの値が出たので、ちょっと嬉しいのです。もしこれがマイナスだったら、頑張って集客する方法を考えないといけない。
 プラスにするには…っていう結論からつくった数字ではないので、きっとこの店は大丈夫です。うん。


◆では、損益分岐点は。

 上記の予想通りにお客さんが集まらなかったら、当然売上は少なくなるわけですが、ではどれくらい少なくなったら赤字になってしまうのか。

○売上
 平日0.6回転(平均客数16.8人)、週末1.1回転(平均客数30.8人)になったときが、ギリギリのところとなります。
 売上は、

回転 客数 客単価 売上(日) 営業日数(月) 売上(月)
平日 0.6 16.8 3,000 50,400 22 1,108,800
週末 1.1 30.8 3,000 92,400 8 739,200
合計 1,848,000

ランニングコスト
 このお客さんの数なら、ピーク時の追加1人は不要でしょう。同様に仕入れのための変動費も少なくなります。

変動費 554,400
人件費 816,000
家賃 300,000
光熱費 60,000
通信費 12,000
TV受信料 12,000
雑費 50,000
合計 1,804,400

○収支
 これで収支はギリギリプラスの約4万円。
 みんなで遊び場をつくるというコンセプトからすれば、赤字にならなければ良いとも言えますが、やっぱりこれだとさみしいかなあ。
 でも、この場合ですと一日の平均来客数は20.5人ですから、これ以上少なくなるとも考えにくいラインです。これで存続できるのなら、さほどリスクはないと考えてもいいのではないか、と。


◆とはいえ、目標は高く持ちたいものです。

 店としても賑わいたいし、それはつまりアメフト好きが増えることとも同義ですから、やっぱりお客さんは多いほうがいい。集客方法などは後々考えるとして、目標としてはこれくらいを目指したい、というのが以下です。

○売上
 来客数を、平日1回転(28人)、週末2回転(56人)とすると、このようになります。

回転 客数 客単価 売上(日) 営業日数(月) 売上(月)
平日 1 28 3,000 84,000 22 1,848,000
週末 2 56 3,000 168,000 8 1,344,000
合計 3,192,000

ランニングコスト
 その場合は、従業員を平日は常時3人または通し2人とピークの追加2人などで、3人という計算。週末には同様に4人とします。もちろん仕入変動費も上がります。

変動費 957,600
人件費 1176,000
家賃 300,000
光熱費 60,000
通信費 12,000
TV受信料 12,000
雑費 50,000
合計 2,567,600

○収支
 624,400円のプラス。
 まず目指すはここです。
 決して現実離れした客数でもありませんし、特にシーズン中の5ヶ月間は問題なく達成できるものと考えています。


 なんか、できそうな気がしてきましたよね!