8.リターンおよび返済計画と事業展開シナリオ


 さて、フットボール酒場は「みんなの遊び場」というものでもあるため、損しなければいいや、と考えることもできます。が、やっぱり資本を集める以上は、出資してくれた人たちにリターンがあったほうがいい。もちろん負債は返済しなければならない。
 さらに、その積み重ねの上で、次にどのように展開していくか、ということも考えてみたいです。


◆リターン計画


○年間利益

 前回の収支予測計算では、月の予測利益は、357,520円という結果がでました。

 これから年間営業利益を考えると、
4,290,240円となります。

 資金集め計画で、200万円の負債をと考えていたので、年間30万円返済していくこととします。さしひいて、
3,990,240円。
 ちなみに前回の損益分岐点モデルでも、この返済は可能でした。よかったよかった。

 すると、税引き後利益として残るのが(単純に6割として)、
2,394,144円
 これが年間の利益です。


○分配割合

 これを、1/3ずつにわけて、798,048円ずつ、
・配当金
・自社株買い資金
内部留保
 としたいと思います。


○配当金
 798,048円を、600株に配当となりますので、一株(1万円)あたり、1330円。
 利回り13%、それなりにけっこうなものですね。規模は小さいから大もうけなんてことはできませんけどね。


○自社株買い資金
 出資者の人たちには株を買ってもらっているわけですが、もちろん公開するつもりもありませんので、流通する有価証券ではありません。配当はもらえるとしても、買った株そのものはずっとそのままなわけです。それをいつの日か買い戻したい、つまり出資してもらった元本を返してあげたい、と思っています。
 そのための資金として貯めていきます。この計算では約8年で全ての株を買い戻せる、株を持っている人がいつでも株を日本円に換えられる、という状態になります。
 もちろん株を保持していれば毎年配当ももらえるし、オーナー優待も受けられるのですが、株を買い戻せる状態になったということはすでに店が軌道に乗ったということでもあるでしょうから、出資者それぞれが、俺の役割は終わったな…といってオーナーから常連客へと変わっていってもいいわけです。


内部留保
 店にとっての貯金です。新しい設備が欲しくてまとまった金が必要になったときとか、短期間赤字がでてしまったときの補填とかにつかいます。
 さらには次の展開にも使われるものになります。


◆事業展開シナリオ


フットボール酒場増殖計画

 次の展開とはつまり、店舗を増やす、という段階です。
 フットボール酒場という業態だけでも、東京圏に3〜5店舗くらいは維持できる、さらに全国の大きな都市ごとにはつくれる、と思っています。
 もともと、共同経営・共同運営を基本と考えているので、ある土地で十分な数の潜在的な常連客たちがいて、その中で一人ハブになる人がいれば、次の出店が可能になります、直営ないしフランチャイズなどのシステムに比べると、事業展開はスムーズだろうと考えています。
 まあ、フランチャイズなどのように上から組織して展開するという、力技というかあらかじめ計画したとおりの方法はとれないわけですが。でも、非常に面白い場であることは確かですから、きっと自分もやってみたいと思う人はたくさんでてくるでしょう。


○趣味の店コンサルタント計画

 フットボールに限らず、ある人の趣味が、同じ趣味を持つ人たちのハブになれるのであれば、そしてその趣味を持つ人たちが一定数いるのであれば、「その趣味の人たちの場」としての店は成立すると考えています。そのノウハウは流用できるはずですから、どんどん提供して「趣味の場」が増えるように協力していきたいと思っています。
 さらに、そのような場をつくることは、今まで考えられていたよりも、ずっとハードルの低いものであるとも感じています。
 たくさんの街を、そんな面白おかしい趣味の店だらけにしていく、そのための活動をはじめましょう! まあフットボールを楽しんでればその活動の一端になるわけですから、深く考える必要もないんですけどね。